“AFPWAA STUDENT WORKSHOP 2019″ 優秀賞、部門賞が決定!!

AFPWAAでは2019年1月~3月に”AFPWAA STUDENT WORKSHOP 2019″ を開催しました。
今回の課題は、AFP Forum からSDGs課題「”NO PORGERRTY”ー貧困をなくそうー」に最も相応しい一枚の写真を選択してレポートを作成するという内容です。
みなさまがたのご協力により、中学校、高校、大学から合計72作品のエントリーがありました。今回応募くださったみなさま、ありがとうございました。

ワークショップの目的は、世界各国13,000社のメディアが利用しているAFP通信のデータベース活用です。課題制作を通じて、学生のみなさんが実際に自らの体験として学習してみることにあります。

参加された学校の先生方からは以下の感想もいただきました。

■東京都墨田区立両国中学校 輪湖みちよ先生より:

「中3の全クラスがワークショップへの応募をしました。先日、卒業式を迎えましたが、おかげ様で、最後に社会貢献を体験して授業を終えることができました。ありがとうございました。私自身も生徒のコメントから学ぶことが多くありました。」

■武蔵野大学附属千代田高等学院 村上奈麻子先生より:

「現在IB(国際バカロレア)のTOK(セオリーオブナレッジ)を担当していて、今回の企画が思考を深める学習内容とつながるように感じたので参加しました。生徒たちは、SDGsをやっていても、本当の貧困、そして貧困が引き起こす世の中の問題についてあまりにも知識が薄いということに少しは気づけたのではないかと思います。面白い企画で、授業に組み込んでいけたらより深い学びになる気がします。他教科の教員とシェアしてみようかな、と思います。またぜひ参加したいです。」

■SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS (SDGs)について
SDGsは,2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された世界を変えるための17の国際目標です。
持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサルなものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。

 

優秀賞、部門賞受賞作品を発表いたします。
全応募作品をAFPWAA公式 ”Instagram” にUPしました。こちらもぜひご覧下さい。
https://www.instagram.com/afpwaa_workshop/

 

■最優秀賞 「ごみ処理地と子供」吉富百合香(東洋英和女学院大学)

ROMANIA-EU-ENVIRONMENT-VOTE-SOCIAL-POVERTY
Daniel MIHAILESCU / AFP

この写真を見て私は自分の情報不足を実感した。最初にこの写真を見たとき私はルーマニアの風景であるとは思わなかった。勝手に貧困でない国だと思い込んでいたからだ。しかし、その考えは間違いであると気づかされた。
ルーマニアには城や教会の美しいイメージがあった。
ところが、この写真では子供たちが美しい街並みではなく土壌を汚染しているごみの山の中で遊んでいる。あまりに自分のなかの風景とかけ離れていた。この写真がなければ私はルーマニアがこのような状況であると知らないままだっただろう。
多くの情報を得ることが先入観や思い込みをなくし、貧困をなくすための第一歩となるのではないか。この写真は私の思い込みを一つなくした。

[講評]AFPWAAディレクター 加来賢一
現代において私達はニュースメディアを通じて、日々数多くの写真や映像に接しています。そこでは、ほとんどの写真が即時に消費され、やがては記憶の隅に追いやられてしまいます。
今回のワークショップでは、自らが選択した一枚の写真と向き合って、自分との関係について記述します。吉富さんの応募作品は、まだ見ぬ世界について知ること、そして、その写真から感じた自分の思いについて素直に語っています。”FACING THE WORLD” 先入観を排して世界の現実と向き合うことの大切さを教えてくれます。

 

■第1回SDGsポイント研究所賞・AFPWAA優秀賞
「少女が売る風船の行方」橘川由依(白百合学園中学高等学校)

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Sajjad HUSSAIN / AFP

どこか遠くをじっと無表情に見つめる写真の少女。少女の持つ色とりどりの風船は本来子供たちの心を弾ませるはずだ。しかし少女にとって風船は、日々の生活をつなぐための売り物でしかない。
その一方で風船を買い与えてもらえる幸せな女の子もいるだろう。その風船はきっとその子を笑顔にする。その子は日々学校に行き、友達と遊び、時に両親と買い物にも出かける。風船を路上で一日中売り歩くことなどない。
風船を売った少女と買い与えて貰った少女との違いは何だろう。
貧困、それは風船を手にした少女たちのその表情の明暗を大きく分けてしまう。たまたま生まれた環境が違っただけで、このインドの少女からは明るく、楽しい笑顔は奪い去られてしまった。この写真の少女の表情、それこそが貧困が生み出した悲しく切ない結果なのだ。少女が風船を手に、明るい笑顔になることができる日は来るのだろうか。

[講評]有限会社ラウンドテーブルコム取締役社長 柳沢富夫
一枚の写真から写っていない人の心も想像して文章化されています。複数の異なる視点の人の心を読み取っている点が斬新でした。少女の目の表情を捉えているのも写真家の意図を読み取っているようでした。
一度メディアを自分の中に取り込み、自分がメディアとなって、うまく表現が出来ていると思います。

 

■SDGsポイント研究所・佳作「壁のない世界へ」本田美奈(日大東北高等学校)

SERBIA-EUROPE-MIGRANTS

ARMEND NIMANI / AFP

ハンガリーとセルビアとの国境が封鎖された。移民の受け入れが困難になったハンガリーが移民を入れまいとこの二国間に壁を作ったのだ。私の中学校の先生は、いつも「これからは、自分でレールを敷いて生きて行くんですよ。」そう言った。この写真を見た時、ふとこの言葉が頭に浮かんだ。人間は、自分の都合が悪くなると壁を作ろうとする。人間関係や国の間にも。けれど、この男の子のようなそんな壁だらけの息苦しい世界で生きることを強いられた子にどんな風にレールを敷けと言うのか。壁を作れば解決する。そんな風に考えているのは、大人だけではないのか。どうしていいか分からずただ、言われるがままに歩いて生きていくためにこの子は、生まれてきたのか。この子に「次は、どっちに行けばいいの」と聞かれて「自分の好きな方へ進めばいい」そう胸を張って言ってあげられる世界を作ってあげることこそが私たちの課題ではないのか。

 

■副賞
・最優秀賞:Amazonギフト券¥10,000 (1名)
・優秀賞:Amazonギフト券¥2,000(1名)
・第1回SDGsポイント研究所賞:SDGsバッジ(1名)